社長がSNSで発信するときに決めておく3つのこと

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社長もSNSで発信したほうがいい、とは言われる。けれど何を書けばいいのか決まらず、アカウントだけが残っている——よくいただくご相談です。

続かない原因は、文章力ではありません。始める前に決めていないことが多すぎるからです。

この記事では、社長がSNS発信を始める前に決めておく3つのことを、そのまま埋められる形でまとめました。

この記事でわかること

  • 社長のSNS発信で最初に決める3つのこと
  • 目的・出す範囲・続ける形の決め方と、ステマ規制で注意する点
  • 発信を「信頼」に置いた掲載社長の実例と、最初の5投稿のネタ
目次

結論:決めるのは「目的」「出す範囲」「続ける形」の3つ

社長のSNS発信で最初に決めるのは、次の3つだけ。投稿の内容やツールの選び方は、あとから決まります。

決めること具体的に決める中身
① 目的誰に読んでほしいか/読んだ人にどうしてほしいか
② 出す範囲会社のこと・自分のこと・触れないこと の線引き
③ 続ける形頻度の下限/書く時間/公開前に誰が見るか

この3つが決まっていれば、毎回「何を書こう」で止まりません。逆に決めずに始めると、フォロワー数だけを見て疲れてしまいます。

なぜ「何を書けばいいか分からない」が起きるのか

迷いの正体は、だいたい3つに整理できます。どれもやる気の問題ではありません。

  • 読み手が決まっていない:採用候補者に向けるのか、取引先に向けるのかで、書くべき中身は変わります
  • どこまで出すかを決めていない:家族のことや取引先の名前に触れてよいか迷っているうちに、投稿の手が止まります
  • 見る数字が決まっていない:フォロワー数を指標にすると、増えない時期に心が折れてしまう

採用や紹介につなげたいなら、見るべき数字は別にあります。

問い合わせの件数、面談で「記事を読みました」と言われた回数、紹介の件数。この3つのほうが実態に近いはずです。

3つの決め方:そのまま埋められる形で

ここからは、A4一枚に書き出せる形で決めていきます。所要時間は30分ほど。

① 目的:読んだ人に何を思ってほしいかまで書く

ポイント:「認知を広げる」では決めたことにならない。

「地元で設計職を探している30代に、この会社なら話を聞いてみたいと思ってほしい」。ここまで書くと、投稿のネタは自然に絞られます。

目的は1つに絞ってください。採用と集客を同時に狙うと、どちらにも届きません。

決まったら、その一文をメモアプリの先頭に貼っておく。投稿のたびに読み返すと、話が脇道にそれにくくなります。

② 出す範囲:出さないものを先に線引きする

ポイント:出さないものを決めるほうが、投稿はずっと楽になる。

出すもの、出さないものを紙に分けて書きます。たとえば、現場の工夫や判断の理由は出す。取引先の実名、見積もり金額、家族の写真は出さない。

線引きがあると、迷う時間が消えます。社員が見ても「これは書いていい」と判断できるようになるのも利点。

判断に迷う題材が出てきたら、その都度リストに追記していく。半年たてば、自社なりの発信ルールができあがります。

自社について投稿するときは、広告かどうかを明瞭に示す必要があります

2023年10月1日から、景品表示法で「一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難な表示」が不当表示に指定されました。いわゆるステマ規制です。

消費者庁のQ&Aでは、販売や開発に関わる役員・管理職が販売促進のために投稿する場合、その投稿は事業者の表示に当たるとされています。

示し方は「広告」「宣伝」「PR」などを本文の見える位置に入れる形。「○○社の社員です」と所属を書くだけでは明瞭とはいえない、という点にご注意ください。詳しくは消費者庁のQ&Aをご覧ください。

③ 続ける形:頻度と確認の流れをセットで決める

ポイント:頻度は「頑張れる上限」ではなく「落とさない下限」で決める。

週3回を目標にすると、2週目で止まります。週1回なら半年続く。続いた分だけ資産になります。

あわせて、書く時間と確認役も決めておきましょう。

決める項目例
頻度の下限週1回(投稿できた週はボーナス)
書く時間金曜の朝15分を固定
ネタの置き場スマホのメモに1行だけ残す
公開前の確認取引先・金額に触れる投稿だけ、広報担当が目を通す

掲載社長の実例:発信の目的を「信頼」に置いた経営者

数を追わない発信で結果を出している経営者がいます。Rootsに登場した株式会社エグゼマッチ 代表取締役の猪谷進介さんです。

猪谷さんが運営する経営者コミュニティは、約5か月で約140名に広がりました。その軸として挙げたのが、この一言。

人を集めることではなく、信頼を育てること。

猪谷進介さん(株式会社エグゼマッチ)

目指しているのは、売り込みで数字をつくる形ではありません。

営業担当を増やして強く売り込むのではなく、リファラルで売上が立つ仕組みをつくる。

猪谷進介さん(株式会社エグゼマッチ)

発信を「紹介が生まれる土台づくり」と考えると、追う数字も変わります。フォロワー数ではなく、「この人に相談しよう」と思ってくれる人の数。

もう一つ、発信のネタに悩む方へ。株式会社With 代表取締役の秋枝紗由里さんが創業を決めた瞬間の言葉が参考になります。

それなら、私が仕事を持ってこようと思ったんです

秋枝紗由里さん(株式会社With)

妊娠や出産で働けなくなる女性が周りにいた。だから自分が仕事を持ってこようと決めた、という話です。

社長のSNSで読まれるのは、実績よりもこの手の「決めた瞬間と、その理由」。わざわざ探しに行かなくても、創業の経緯の中にすでにあります。

よくある質問

社長の発信について、特によくいただく質問を4つ。

Q. 実名・顔出しは必要ですか

採用や紹介を目的にするなら、実名のほうが届きます。顔写真は必須ではありませんが、会社名と役職は出したほうが信頼されやすい。

Q. どのSNSを選べばいいですか

読んでほしい人がいる場所を選びます。採用候補者ならInstagramやX、経営者同士の紹介ならFacebookが有力。全部やろうとしないことが続けるコツです。

Q. 最初の5投稿は何を書けばいいですか

創業の理由、いちばん苦労した時期、採用で見ているところ、最近断った仕事とその理由、お客様に言われてうれしかった言葉。この5つで足ります。

Q. 社員の投稿にもルールは必要ですか

必要です。出してよい情報の線引きと、自社の宣伝になる投稿では「広告」等を明瞭に示すこと。この2点を一枚にまとめて共有しておくと安心です。

関連コラムもどうぞ。発信の体制づくりは広報担当がいない会社の情報発信、最初の3か月でやることにまとめています。

ネタが尽きたときは社長インタビュー記事を採用・営業に使い回す7つの方法も役に立つはず。

まとめ

社長のSNS発信は、才能ではなく段取りの話です。

アカウントを開く前に、目的・出す範囲・続ける形の3つをA4一枚に書き出してください。30分あれば終わります。

書き出したら、まずは週1回から。1か月続けたところで、面談や商談で「見ています」と言われる回数を数えてみましょう。

小さな会社の発信は、数ではなく誰に届いたかで効きます。遠回りに見える1年が、採用と紹介の土台をつくります。

出典

R

この記事を書いた人

Roots編集部(株式会社With)

中小企業の経営者インタビューを続ける編集部。取材で聞いた経営者の実践を、ほかの会社でも使える形にまとめています。

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