求人を出しても応募が来ない会社が見直す3つのこと

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求人を出しても応募が来ないとき、「うちの会社に魅力がないのでは」と落ち込む社長は少なくありません。ただ、原因の多くは会社の魅力より、伝え方と届け方にあります。

結論として、見直したいのは「求人票の中身」「載せる場所」「応募後の対応」の3つ。どれも費用をかけずに、今日から手を付けられます。

この記事では、応募が来ない理由と、小さな会社が見直す3つのポイントを順に整理しました。

採用の基準をはっきり言葉にしている、株式会社エグゼマッチ・猪谷進介さんの考え方も紹介します。

この記事でわかること

  • 求人を出しても応募が来ない、よくある理由
  • 小さな会社が見直す3つのポイントと、具体的な直し方
  • 求める人物像を言葉にしている社長の実例
目次

応募が来ないのは、会社の魅力より「伝わり方」の問題

まず押さえておきたいのは、いまは企業が人を選ぶより、求職者が会社を選ぶ時代だということ。人手が足りない会社が多く、同じ求職者を多くの会社が取り合っています。

厚生労働省の統計では、2026年7月の有効求人倍率は1.18倍でした。有効求人倍率とは、仕事を探す人1人に対して何件の求人があるかを示す数字です。

新規求人倍率(その月に新しく出た求人で見た倍率)は2.10倍。新しく出る求人の数は、仕事を探し始めた人の2倍を超えています。

よくある「応募が来ない求人」の特徴

応募が来ない求人には、いくつか共通する特徴があります。自社の求人票と見比べてみてください。

  • 仕事内容が「営業」「事務」など一言だけで、1日の流れが想像できない
  • 「アットホームな職場」「やる気のある方歓迎」など、どの会社にも当てはまる言葉が並ぶ
  • 給与や休日が「応相談」「当社規定による」で、条件が分からない
  • 何年も前に作った求人票を、そのまま使い回している
  • 応募しても返事が遅く、面接日程がなかなか決まらない

求職者は、たくさんの求人を短い時間で見比べています。「よく分からない」求人は、それだけで候補から外れてしまうのです。

ここからは、見直す3つのことを順に見ていきます。

  1. 求人票の中身:誰に来てほしいかを書く
  2. 載せる場所:求職者がいる場所に求人を置く
  3. 応募後の対応:面接までを早く、軽くする

見直すこと1:求人票に「誰に来てほしいか」を書く

1つ目は、求人票の中身です。多くの会社が「誰にでも当てはまる求人」を書いてしまい、結果として誰にも響かなくなっています。

ポイント:求人票は「来てほしい一人」に向けた手紙のつもりで書く。

来てほしい人を、1人の姿として書き出す

最初に、どんな人に来てほしいかを具体的に書き出しましょう。年齢や性別ではなく、「どんな価値観や経験を持つ人か」で考えるのがコツです。

たとえば「前職で接客をしていて、人と話すのが好きな人」「子育てと両立できる時間で働きたい人」のように書きます。

人物像が決まると、求人票で強調すべき点も見えてくるでしょう。

仕事内容と条件を、具体的に書く

次に、仕事内容と条件を具体的にします。求職者が知りたいのは、入社後の自分の姿を想像できる情報です。

見直す項目よくある書き方伝わる書き方の例
仕事内容事務全般受発注の入力(1日20件ほど)、電話対応、請求書の作成
1日の流れ記載なし9時に朝礼、午前は入力作業、午後は電話と書類の整理
職場の様子アットホームな職場です社員8名。30〜50代が中心で、昼休みは各自自由に過ごす
働き方応相談勤務時間は9〜16時も可。学校行事の休みも調整できる
求める人やる気のある方未経験でも、分からないことを質問できる方

「アットホーム」などの言葉は、書く側の思いは伝わっても、読む側には中身が見えません。事実や数字に置き換えると、ぐっと伝わりやすくなります。

求人に書く労働条件のルール

2024年4月から、求人の際に明示すべき労働条件が3つ加わりました。

  • 業務の変更の範囲
  • 就業場所の変更の範囲
  • 有期契約を更新する場合の基準(更新上限を含む)

変更の範囲とは、入社後に担当が変わる可能性がある仕事や場所の範囲のこと。また職業安定法では、虚偽の表示や誤解を招く表示が禁じられています。

出典:厚生労働省「令和6年4月より、募集時等に明示すべき事項が追加されます」

細かな書き方は、厚生労働省の資料や最寄りのハローワークで確認してください。個別の判断に迷うときは、社会保険労務士への相談をおすすめします。

見直すこと2:求職者がいる場所に、求人を置く

2つ目は、求人を載せる場所です。良い求人票でも、来てほしい人が見ていない場所に置いては届きません。

ポイント:「どこに出すか」は、来てほしい人が普段どこで仕事を探すかから決める。

載せる場所特徴向いている人材
ハローワーク求人の掲載は無料。地域の求職者に届きやすい地元で長く働きたい人
求人サイト若い世代や転職希望者が多く見ている。掲載料がかかるものが多い転職を考えている人、若手
自社の採用ページ会社の考えや社員の声を、字数を気にせず伝えられる会社の雰囲気を重視する人
社員・知人からの紹介会社を知る人を通じて、信頼できる人に出会いやすい価値観の合う人

小さな会社ほど、採用ページと紹介の力が効いてきます。求人サイトで会社名を知り、応募の前にホームページを確かめる人もいるからです。

採用ページがない、または何年も更新していない場合は、社員の写真と一言だけでも載せてみましょう。求人票では伝えきれない「人」の雰囲気が、応募の後押しになります。

紹介は「頼み方」を決めておく

社員や取引先からの紹介は、会社をよく知る人が間に入るため、入社後のずれが少ないのが強み。ただ、「いい人がいたら紹介して」と言うだけでは動いてもらえません。

どんな人を探しているかを、先ほど書き出した人物像のまま伝えましょう。「こういう人を知りませんか」と具体的に聞くほうが、相手も思い浮かべやすくなります。

見直すこと3:応募から面接までの対応を早く、軽くする

3つ目は、応募が来た後の対応です。せっかく応募があっても、返事が遅いだけで求職者はほかの会社に決めてしまいます。

ポイント:応募への最初の連絡は、できれば当日、遅くとも翌営業日までに。

  • 連絡の担当を決める:誰が応募を確認し、誰が返信するかを決めておく
  • 面接日程の候補を先に出す:「ご都合を教えてください」より、候補日を3つ示すほうが早く決まる
  • 応募の手間を減らす:最初から履歴書の郵送を求めず、まずは話を聞く場を設ける
  • 面接で会社のことも話す:質問するだけでなく、仕事の様子や社長の考えも伝える

面接は、会社が選ぶ場であると同時に、求職者が会社を選ぶ場でもあります。社長自身が会社の考えを話すと、それが一番の説明になるでしょう。

実例:採用の基準を言葉にしている社長

ここで、Rootsで取材した株式会社エグゼマッチの猪谷進介さんの考え方を紹介します。同社は、業務委託のメンバーと一緒に事業を進めています。

猪谷さんは、仲間を選ぶときの基準をはっきり言葉にしている社長の一人。

採用で重視しているのは、完成されたスキルだけではありません。私が求めているのは、『誠実さ』と『学ぶ意欲』です。

猪谷進介さん(株式会社エグゼマッチ)

その理由として、スキルは経験と学習で伸ばせると語っています。一方、誠実に向き合う姿勢や学び続ける意思は、信頼を土台に仕事を進めるうえで欠かせないもの。

「見直すこと1」で触れた人物像づくりも、この考え方と同じです。スキルの条件だけを並べるより、大切にしている価値観を書くほうが、合う人に届きやすくなります。

働き方を一つに決めつけない

猪谷さんは、自身が朝5時まで働き、体調を崩す寸前で会社を辞めた経験の持ち主。働き方についても、こう話しています。

画一的な働き方を求めるのではなく、それぞれが力を発揮できる方法を一緒に探したいと考えています。

猪谷進介さん(株式会社エグゼマッチ)

同社では短い雑談を重ね、いまは3〜4年にわたって一緒に働くメンバーもいるそうです。働き方の選択肢があることは、求人票に書ける大きな魅力の一つ。

よくある質問

Q. 給与を上げないと、応募は増えませんか?

給与は大切な条件ですが、それだけで決まるわけではありません。仕事内容や職場の様子、働き方の選択肢が具体的に書かれているかも、応募の判断材料になります。

まずは今の条件を分かりやすく伝え直し、それでも反応が変わらないときに給与を見直す。この順番なら、ムダな出費を抑えられます。

Q. 求人票はどのくらいの頻度で見直すべきですか?

少なくとも、応募が来ない状態が1か月続いたら見直しのタイミング。仕事内容や写真、社員の声を少し変えるだけでも、見え方は変わってきます。

Q. 中小企業がハローワークを使うメリットは何ですか?

求人を無料で掲載でき、地域で仕事を探す人に届きやすい点が大きなメリットです。求人票の書き方について、窓口で相談できる場合もあります。

まとめ

応募が来ないのは、会社に魅力がないからとは限りません。求人票の中身、載せる場所、応募後の対応を見直せば、状況が変わる余地は十分にあります。

まずは今の求人票を開き、「アットホーム」「やる気」といった言葉を事実や数字に置き換えてみてください。

費用をかけずに、今日から手を付けられる見直しです。来てほしい一人に届く求人を目指して、一歩ずつ進めていきましょう。

出典・参考

R

この記事を書いた人

Roots編集部(株式会社With)

中小企業の経営者インタビューを続ける編集部。取材で聞いた経営者の実践を、ほかの会社でも使える形にまとめています。

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