従業員10人の会社の採用ページに書くべきこと

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「採用ページを作りたいけれど、何を書けばいいのか分からない」。従業員10人前後の会社で、よく聞く悩みです。

大手のような制度の一覧や立派な写真は、なくても構いません。小さな会社で効くのは、一緒に働く人の顔と、入社後の毎日が想像できる情報です。

この記事では、中小企業の採用ページに載せるべき内容を7つの項目に整理しました。Rootsに掲載した社長の、採用基準の考え方もあわせて紹介します。

この記事でわかること

  • 従業員10人の会社の採用ページに書くべき7つの項目
  • 求人票と採用ページの役割の違い
  • 採用ページを1週間で形にする手順と、法律上の注意点
目次

結論:採用ページには「誰と、どう働くか」を書く

小さな会社の採用ページで一番大事なのは、「誰と、どんなふうに働くか」を伝えること。条件と同じくらい、入社後の人間関係を気にする求職者は少なくありません。

10人の会社では、社長や先輩とほぼ毎日顔を合わせます。職場の空気が伝わるかどうかは、応募を決める大きな分かれ目になりやすいところです。

採用ページに書くべき項目は、次の7つ。

  1. 社長からのメッセージ(なぜこの会社をやっているのか)
  2. 仕事内容と1日の流れ
  3. 一緒に働く人
  4. 求める人物像(と、合わないかもしれない人)
  5. 働き方と労働条件
  6. 入社後の育て方
  7. 選考の流れと問い合わせ先

ポイント:制度の多さではなく、働く毎日の具体さで選んでもらう。

なぜ小さな会社の採用ページは「書くことがない」と感じるのか

書く材料が少ないのではなく、見本にしているものがずれている場合がほとんどです。多くの会社が、次のようなところでつまずいています。

  • 制度で見劣りすると思い込む:福利厚生や研修制度の少なさが気になってしまう
  • 大手の採用サイトを見本にする:同じ項目を埋めようとして手が止まる
  • 求める人物像が言葉になっていない:社長の頭の中にあるまま
  • 求人票の条件を貼って終わり:会社の顔が見えないページになる

大手と同じ土俵で比べると、制度の数ではかないません。けれど、小さな会社を選ぶ人は、そこを比べて応募するわけではないはずです。

知りたいのは「社長はどんな人か」「任される範囲はどれくらいか」「困ったとき誰に相談できるか」といったこと。どれも、制度がなくても書ける内容ばかりです。

求人票と採用ページの役割の違い

採用ページを書く前に、求人票との役割分担を決めておきましょう。そうすると、何をどこに書くかで迷いません。

求人票(ハローワーク・求人サイト)採用ページ(自社サイト)
役割条件を比べてもらう会社を知って、選んでもらう
主な中身給与・勤務時間・休日などの条件想い・人・働き方・育て方
読まれ方他社と並べて見られる気になった人がじっくり読む
更新の目安募集を出すたび半年に1回ほどの見直し

求人票で気になった会社のホームページを、応募前にのぞく人もいます。そこで会社の顔が見えれば、「話を聞いてみたい」につながりやすくなるでしょう。

採用ページに書くべき7つの項目と書き方

ここからは、7つの項目の書き方を一つずつ見ていきます。全部を一度にそろえる必要はありません。

1. 社長からのメッセージ

最初に置きたいのは、社長自身の言葉。会社を始めた理由、大事にしていること、これから目指す姿を短く書きます。

きれいな理念の文章より、社長が普段話している言葉のほうが伝わるもの。「なぜこの仕事をしているのか」を、友人に話すつもりで書いてみてください。

ポイント:うまい文章より、社長の本音が見える言葉を選ぶ。

2. 仕事内容と1日の流れ

「営業事務」「現場スタッフ」といった職種名だけでは、実際の仕事は伝わりません。

朝何時に来て、誰と何をして、何時に帰るのか。時間の順に書き出してみましょう。

忙しい時期や、よくある困りごとも正直に書いておくと安心。入社後の「思っていたのと違う」を減らせます。

3. 一緒に働く人

10人の会社では、同僚の顔ぶれがそのまま職場の空気になります。社員1〜2人に「入社したきっかけ」と「入ってみて意外だったこと」を聞いて、載せてみてください。

写真は、笑顔の集合写真1枚でも十分。顔出しが難しい人は、後ろ姿や手元の写真でも雰囲気は伝わります。

4. 求める人物像(と、合わないかもしれない人)

「明るく元気な人」「コミュニケーション力のある人」は、どの会社にも当てはまる言葉です。自社で活躍している人に共通する特徴を、行動の言葉で書き出してみましょう。

あわせて「こういう働き方を望む人には合わないかもしれない」と一言添えるのも親切。合わない人が応募を控えることは、会社と求職者のどちらにとっても損になりません。

ポイント:「どんな人か」は、形容詞ではなく行動で書く。

5. 働き方と労働条件

給与・勤務時間・休日・勤務地などの条件は、求人票と同じ内容にそろえます。在宅勤務や時短の可否、子どもの急な発熱のときの対応なども、書ける範囲で具体的に。

条件の書き方には、法律上のルールもあります。下の注意点もあわせて確認してください。

採用ページの表示にも、職業安定法のルールがあります

2022年10月から、募集する企業には求人情報の的確な表示が義務付けられました。虚偽や誤解を招く表示をせず、正確で最新の内容に保つことが求められます。

2024年4月からは、募集時に明示する労働条件に「業務の変更の範囲」「就業場所の変更の範囲」「有期契約の更新上限」などが加わりました。

出典:厚生労働省「令和6年4月より、募集時等に明示すべき事項が追加されます」/厚生労働省「令和4年職業安定法の改正について」。個別の判断は、社会保険労務士などの専門家に相談してください。

6. 入社後の育て方

研修制度がないことを気にする社長は、少なくありません。制度の名前がなくても、「最初の1か月は先輩が横について教える」と書ければ十分に伝わります。

入社1週間目、1か月目、3か月目に、何ができるようになっていればよいか。その目安があると、未経験の人も応募しやすくなるでしょう。

7. 選考の流れと問い合わせ先

応募から内定までの流れと、おおよその日数を書きます。「まずは話を聞いてみたい」人のために、気軽な面談の窓口を用意するのも一つの方法です。

問い合わせ先は、電話とメール(またはフォーム)の両方があると安心。返信の目安(「3営業日以内にご連絡します」など)も添えておきましょう。

採用ページを1週間で形にする手順

7つの項目を一度に書こうとすると、手が止まりがちです。1日1つずつ進めれば、1週間で最初の形ができます。

日やること担当
1日目一緒に働きたい人の特徴を3つ書き出す社長
2日目会社を始めた理由と大事にしていることを話し、録音して文字にする社長
3日目社員1〜2人に入社のきっかけと意外だったことを聞く社長か担当者
4日目1日の流れと、入社後1〜3か月の目安を書く現場の社員
5日目労働条件を求人票と照らし合わせてそろえる担当者
6日目写真を撮り、全体を並べて社員に読んでもらう全員
7日目直しを入れて公開し、求人票からリンクを張る担当者

最初から完璧を目指さず、公開してから直していけば大丈夫。応募者に「どこを見て応募したか」を聞くと、次の直しどころが見えてきます。

掲載社長の実例:スキルより「誠実さと学ぶ意欲」を言葉にする

参考にしたいのが、株式会社エグゼマッチの猪谷進介さんの考え方。Rootsのインタビューで、業務委託メンバーとの組織づくりを語っています。

完成されたスキルだけではありません。私が求めているのは、『誠実さ』と『学ぶ意欲』です。

猪谷進介さん(株式会社エグゼマッチ)

スキルは経験と学習で伸ばせる。一方で、誠実さと学ぶ意欲は、信頼して仕事を任せるための土台になる、というのが猪谷さんの考えです。

何を重視するかがはっきりしていれば、読む人も自分が合うかどうかを判断できます。働き方についても、猪谷さんの考えは明確でした。

画一的な働き方を求めるのではなく、それぞれが力を発揮できる方法を一緒に探したいと考えています。

猪谷進介さん(株式会社エグゼマッチ)

この姿勢の背景には、猪谷さん自身の過労の経験があるそう。一人ひとりの事情を知り、それぞれの働き方を尊重する考え方がにじむ言葉です。

採用ページに置きかえるなら、「求める人物像」と「働き方」の項目がこれに当たります。

たとえば「スキルより、誠実さと学ぶ意欲を大切にしています」と書いてみる。経験が浅くても伸びたい人が、手を挙げやすくなるはずです。

よくある質問

採用ページの書き方について、小さな会社の経営者からよく出る質問をまとめました。

Q. 社員が少なく、社員紹介に出てもらえる人がいません

社長が「最近入った人がどんな様子か」を紹介する形でも構いません。名前や顔を出さずに「入社2年目・事務担当」のように書いても、職場の様子は伝わります。

Q. 給与が大手より低いのですが、書かないほうがいいですか?

給与などの労働条件は、募集するときに明示が求められる事項です。隠すより、「その分こういう働き方ができる」と正直に並べて書くほうが、入社後のすれ違いを防げます。

Q. 採用ページは、会社のホームページとは別に作るべきですか?

10人規模なら、今のホームページに1ページ追加する形で十分。大事なのは作り込みより、求人票から迷わずたどり着けることです。

Q. どのくらいの頻度で更新すればいいですか?

半年に1回を目安に、社員の顔ぶれや条件が変わっていないかを見直しましょう。求人情報は、正確で最新の内容に保つことが法律でも求められています。

まとめ

採用ページづくりは、社長が「どんな人と働きたいか」を言葉にするところから始まります。

まずは今週、一緒に働きたい人の特徴を3つ、紙に書き出してみてください。

その3つが、採用ページの芯になるはず。立派な制度がなくても、社長の言葉と職場の素顔は、合う人にきちんと届きます。

出典

R

この記事を書いた人

Roots編集部(株式会社With)

中小企業の経営者インタビューを続ける編集部。取材で聞いた経営者の実践を、ほかの会社でも使える形にまとめています。

編集部について

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