女性のスキルと企業の課題をつなぐ、Withの事業

女性のスキルと企業の課題をつなぐ、Withの事業
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働く意欲もスキルもあるのに、家庭環境や住む場所によって仕事を続けられない。一方、企業では業務を支える人材やノウハウが足りない。
株式会社Withはこの二つの課題をつなぎ、リモートを中心とした企業サポートを届けています。原点にあるのは、代表取締役の秋枝紗由里さん自身が「雇用される働き方」を続けにくくなった経験。学びと実務をつなぐ「PlusGATE」で柔軟な働き方と企業支援を両立する、その事業と今後の展望を紹介します。

目次

リモートワークが一般的ではない時代から企業を支援

秋枝さんが個人事業主として独立したのは、約14〜15年前。夫が転勤のある仕事だったため、勤務地を固定した雇用形態では仕事を続けにくくなったことがきっかけでした。

当時はいまのようにリモートワークが広く普及していません。

デザイン、業務効率化、マネジメントなど、これまで培ってきた経験を生かします。離れた場所から企業をサポートする働き方を始めました。

「こんなことまでリモートで対応してくれるのか、雇用ではなく業務委託で依頼できるのか、という点を付加価値にしていました」

現在は珍しくなくなったリモート対応も、当時はそれ自体が差別化の要因。

企業にとっては、必要な業務を外部へ依頼できる。働く側にとっては、転勤や家庭の事情があっても仕事を続けられる。

この双方にとっての利点がいまの事業の原型になりました。

企業支援と女性の働き方を一つの仕組みに

現在、株式会社Withの柱になっているのが「PlusGATE」というコミュニティ。スキルを持つ女性の学びと仕事を支援する場で、参加者は必要なスキルを学んだうえで企業のサポート業務を担当します。

企業から切り出された仕事をただ分配するのではありません。学びと実務をつなぎ、継続的に力を発揮できる状態を目指しています。

スタッフの約9割は、育児や家庭の事情を抱える女性。なかには障害や不登校などの事情を持つ子どもを育てている人もいます。

決まった時間に出社する働き方が難しくても、スキルや経験を生かせる仕事はある。企業側も、雇用だけに限定せず、業務委託やリモートを組み合わせれば、必要な支援を得られます。

「雇用の形に合わないから働けない、ではなく、どうすればできるのかを考えたい。働き方を“できる形”に変換していくことが、Withの役目だと思っています」

一人の力ではなく、チームで支える体制へ

創業当初は秋枝さんが顧客対応から実務まで、ほぼすべてを担っていました。

紹介を通じて顧客が増えると、一人で対応できる業務量には限界が生まれます。そこで複数人で仕事を進めるチーム体制へ移行しました。

対応できる業務は増えた一方で、品質や効率をどう揃えるかという課題も生まれました。担当者が変わっても安定した成果を届けるには、マネジメントや確認の仕組みが欠かせません。

現在はマネージャーが社内管理を担い、秋枝さん一人に業務が集中しない体制づくりを進めています。

「以前は私が全部対応していましたが、今はマネージャーが社内のことを担ってくれています。まだ課題はありますが、少しずつ私の手を離れてきました」

一人の経験や判断だけに依存せず、チームとして企業を支える。この移行はより多くの企業や働く女性を支援していくうえで欠かせない変化でした。

経験から得た、適正な価格と品質への意識

事業を続ける過程では、失敗もありました。とくに大きかったのが、個人で受注していた頃と同じ感覚で価格を設定してしまったことです。

外部スタッフへの報酬や管理コストを十分に反映できず、働いて売上が立っても利益が残らない状況が生まれます。

「一人で仕事をするときと、人へ依頼するときでは、単価の考え方がまったく違うと後から分かりました」

企業へ安定したサービスを届け、働く人へ適切に報酬を支払う。そのためには事業として続けられる価格設計が欠かせません。

安さだけを価値にするのではなく、管理や教育、品質確認を含めた支援体制をつくる。その重要性を実際の経営を通じて学んできました。

複数人で業務を担う以上、品質の均一化も避けて通れません。柔軟に働ける環境をつくることと、顧客へ一定の品質を届けること。

この両方を成立させるため、いまも組織と業務の改善を続けています。

Withが提供する価値は、業務の先にある

企業から見れば、株式会社Withへの依頼は業務支援の一つ。しかしその仕事の先には、家庭の事情などによって従来の働き方を選びにくい女性の活躍があります。

一方、働く女性を支えるだけでは事業は続きません。企業の課題を理解し、成果につながる仕事を提供することが前提です。

企業の業務課題を解決することと、女性がスキルを生かして働ける環境をつくること。この二つを別々の活動にせず、一つの事業として成立させようとしている点が株式会社Withの特徴です。

秋枝さん自身も家庭や子育てを理由に仕事を諦めたくないと考えてきました。

同じ悩みを抱える人に、ただ「頑張ろう」と伝えるのではありません。実際に仕事ができる仕組みを用意する。それがWithの役割です。

諦める前に、働き方そのものを組み替える

株式会社Withがこれからも大切にしたいのは、「できない」をそのまま受け入れない姿勢です。

出社できないから働けない。
決まった時間に稼働できないから任せられない。
社内に担当者がいないから、その業務は進められない。

そうした前提を一度見直します。業務の分け方や契約形態、チームのつくり方を変えれば、解決できることがあります。

「女性だから、奥さんだから、お母さんだからと、諦める場面はとても多いと思います。でも、諦めるのではなく、今どうしたらできるのかを考えていきたいんです」

この考えは、女性の働き方だけに当てはまるものではありません。人材不足や業務の属人化に悩む企業も同じです。従来の雇用や組織の形にこだわらず、外部の力を組み合わせる選択肢があります。

働く人が置かれた状況を理解しながら、企業が求める成果にも応える。

その両立を積み重ね、「できない」とされてきた仕事を「できる形」へ変えていく。それが株式会社Withの目指す事業です。

編集後記

働き方の支援と企業の業務支援。この二つを別の活動として並べる会社は多いですが、Withは一つの事業として設計しています。

出発点は、秋枝さん自身が「雇用される働き方」を続けにくくなった経験でした。

リモートがまだ珍しかった約14〜15年前、業務委託で遠くから支えること自体が付加価値になった。

一人で全部を抱えた時期を抜け、いまはマネージャーが社内を見る体制に移っています。

価格設計の失敗も語られました。働いて売上が立っても、利益が残らない時期があったという話です。

柔軟な働き方と一定の品質。この両方を同時に成り立たせるところが、いちばん難しい部分でしょう。

出社できないから働けない、担当者がいないから進められない。その前提を組み替えるだけで動く仕事は、思ったより多いはずです。

会社概要

会社名株式会社With
代表者名秋枝紗由里さん
設立—
所在地—
事業内容企業のリモート業務サポート(デザイン・業務効率化・マネジメントなど)、コミュニティ「PlusGATE」の運営
Webサイト—

会社情報

会社名
株式会社With
代表者名
秋枝紗由里
設立
2014年(法人化2020年)
所在地
〒812-0011 福岡県福岡市博多区博多駅前1丁目23番2号 ParkFront博多駅前1丁目5F-B
会社概要
BPO事業、メディア事業、女性の学びと仕事を支える「PlusGATE」の運営

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